餞別はいろいろセット2020年08月01日 14:12

餞別はいろいろセット
 世話になった同僚が会社を去るので、ふだん使っているお勧めの物をセットにして餞別。三久のお茶。出汁用のコブは前に買っていた店がなくなったので三久のお徳用を試しに。まだ使ったことはなし。ダージリンのファーストフラッシュ。たぶん本物のダージリン。出汁用の削り節。いつも買っているジャコに桜エビも。

実害ある間違い 酢3倍 私ならぶち切れる2020年08月04日 08:40

実害ある間違い 酢3倍 私ならぶち切れる
 「今日はちらしずしだ」とウナギを買ってきて、ワクワクしながら、炊きあがったら酸っぱくて食べられない。私ならぶち切れる。カップ5分の4は160cc。大さじ4は60cc。
 量の間違いは単なる間違いだから仕方ない。カップ1杯(200cc)は大さじ(15cc)5杯分と間違えて覚えていたのだろうか。それより驚いたのは、炊飯器に米、水、酢、砂糖、塩、具材をぶち込んで炊くというちらしずしの作り方。見たことも聞いたこともない。だが、料理研究家が教える正式な方法らしい。少しでも手抜きしようという現代の家庭事情が生んだ簡易レシピなのだろうが、ちゃんとした作り方より絶対まずいと思う。食べたくない。

20種のウイスキーを堪能2020年08月04日 13:13

20種のウイスキーを堪能
20種類ぐらいのオールド/プレミアムウイスキーを少しずつ飲むというSECRET BARに参加してきた。以前に行きつけだったバーの橋口さんが少人数向けに定期的に開いているイベント。会場はLion's Den。フランス語のdent de lion(ライオンの歯=タンポポ)のようだが、野獣のすみかというような意味らしい。以前のバーより広いがよく似た雰囲気。
 最初はウイスキーで作った梅酒。次に、零下にしてトロリとしたWHITE WALKER。ゴルフボールのような瓶は聖地セントアンドリュースの名を冠したウイスキー。つまみは懐かしい燻製のチーズやたくあん。最後に、燻製した醬油につけ込んだTKG。

イソジンで唾液のウイルス減ったが,なぜ重症化防ぐニュースに?2020年08月05日 16:39

イソジンで唾液のウイルス減ったが,なぜ重症化防ぐニュースに?
 コロナは脂の膜で覆われたウイルスだから、アルコール、石鹼、ヨードなどを口に含めば、膜が溶けて壊れ、口内のウイルス粒子が一時的に減るかもしれない。しかし、細胞内でウイルスがどんどん再生産されてウイルス粒子が出てくる。全身症状には関係ない。ウイルスを作るノドの細胞まで壊したら、ウイルスの生産量は減るかもしれないが害の方が大きい。江戸の大火で延焼を防ぐため周りの家を壊しまくる火消しの如き所業だ。
 府の研究者は、イソジンで感染者の唾液検体の陽性率が下がるから、唾液中のウイルスが減るのかもしれない。それによって、感染者が周囲に感染を広げるのを防ぐ効果を調べたいと言っただけのようだ。それがなぜ重症化を防ぐ話になってしまうのか。非感染者がイソジンうがいをしても感染予防効果はないし、重症化予防効果もない。感染者が周囲にウイルスをばらまくのを抑制する効果については分からないが、あったとしても大した効果ではないので、1000人ぐらいを短期間調べてもおそらく有意差は出ない。ので、証明不可能だ。
 京大の研究で、ヨード液でうがいしても効果はないが、水でうがいするとかぜを引きにくくなるというのがある。うがいに関する研究は根本的に研究デザインがなってなくてまともな比較になっていないのではないか。

うがい薬で重症化予防? 新型コロナ、大阪府など研究
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62272190U0A800C2AC8000/

唾液陰性化率上昇=ウイルス減少ではない 府知事が統計でウソをつく法2020年08月06日 13:14

唾液陰性化率上昇=ウイルス減少ではない 府知事が統計でウソをつく法
「判明したのは、唾液中のコロナウイルスを減少させ、唾液PCRの陰性化を加速させること」
https://hochi.news/articles/20200805-OHT1T50052.html
はい、ダウト。
「予防効果、一切ない」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020080500943&g=soc)は正しいが、「唾液中のコロナウイルス減少」は判明してない。
イソジンうがいをした感染者のPCR陰性化率がしてない患者より高かっただけ。唾液中のウイルス濃度が減ったからではないかというのはただの推論だ。

1)たった41人の試験なので、差が出たのはたまたまかもしれない。
2)検査をしたのは、感染直後なのか、発病直前なのか、発病直後なのか。検査時期のずれが原因で差が出たのかもしれない。
3)ポビドンヨード(イソジンなどの成分)にPCRの感度を下げる効果があるのかもしれない。

最後にうがいしてから一晩寝て検査するとのことなので、3)はないだろう。また、口内のウイルス量が一時的に減るにしても、そんなに長時間抑制効果があるとは信じられない。
で、「感染拡大防止への挑戦」。「イソジンでうがい」、「水でうがい」、「うがいしない」の3群で比較するようだが、うがい以外の条件(年齢、感染からの期間、持病など)が偏らないようにそろえるのがとても難しく、失敗するだろう。
 そもそもコロナのように感染力が大して強くないウイルスの感染阻止実験が無理。ワクチンを作ったはいいが、どうやって有効性を確かめるのか方法がないので、世界中の製薬が頭を抱えているのだ。

おにぎり放浪2020年08月08日 12:45

おにぎり放浪
 仕事が終わって実家に電話すると、疲れて食欲がないのでおにぎりぐらいしか食べられないので買ってきてほしいという。さて、困った。親の世代にとって、おにぎりとは自分で作る物であって買う物ではない。だから、知らないのだ。都内にはコジャレタおにぎり専門カフェや、おむすび権米衛などの専門店が多い。だが、普通、おにぎりは昼か朝に食べる物であって、大抵のおにぎり専門店は午後3時、4時ぐらいで閉まってしまう。午後6時以降におにぎりを手に入れるのはそう簡単ではない。深夜までやっている大きめのスーパーだと午後7時ごろでもいろいろなおにぎりがまだ売っている事があるが、緊急事態宣言で、閉店が8時ごろになり、さらに家ごはんの人が多いため、総菜類は売り切れるのが早い。知る限り、遅い時間でも確実におにぎりが残っているのは、オリジン弁当ぐらいだが、以前駅前にあったオリジン弁当がなくなってしまった。
 特殊な人がおにぎりを買うコンビニでも午後7時ごろは品揃えが豊富な時間帯ではない。必ずあるのはシーチキンマヨネーズぐらいだが、母は味覚がまともなのであんな物は食べない。
 まず、午後8時まで営業してるはずのチェーン「おむすび ごっつ食べなはれ」を目指したが、まるで、つぶれたかのように閉まっている。次に、おにぎりを売っている米屋に転戦。閉店間際の7時に着いたが、売り切れ。もう諦めて、ちょっと距離のある総菜屋まで歩いたら、鮭とたらこのおにぎりが2個ずつ残っていた。
 おにぎりを食べさせ、3カ所探した事、おにぎりが欲しいなら昼ごろまでに伝える事を言い渡した。それから、1週間も立たない午後6時過ぎ、すべてを忘れて、また、おにぎりが欲しいと言われたので、切れた。つくづく自分は器が小さい。

アシモフの傑作が映すコロナ隔離社会2020年08月10日 11:31

アシモフの傑作が映すコロナ隔離社会
「尋問するにあたって、顔と顔をつきあわせて・・・」
 クエモットが、耳障りな奇声を発し、ひっくり返った。よたよたと走っていく姿がベイリにちらりと見えたが、すぐに部屋の外に出て見えなくなった。
 ロボットがひとり入ってきた。「わたしのマスターは、すぐに映像でお会いすると、あなたにそうお伝えするようにと命令されました」「映像でだと?」
 クエモットがどこからともなくあらわれ彼の前に立った。
「直接対面には十分耐えられると思っていましたが、わたしの思い込みだったようです。あなたの一言が私を追い詰めたのです」「どの一言でしょうか?」
「尋問するにあたって、顔と・・・」。ソラリア人は身を震わせた。
「不潔きわまる慣習でしょうが。あなたがその言葉を口にしたとき、その光景が頭に浮かびましてね。あなたの肺にあった空気が、わたしのところまでやってきて、わたしの肺に入るのだと気づいたのですよ」
 ベイリは言った。「ソラリアの大気のどこにでもある分子は、かつて何千という肺に入っていたものですよ。動物の肺や魚のえらに入っていたものですよ」
「確かにそうです」
「わたしはまだ同じ家にいるんですがね、クエモット博士」
「そう、まさにそこなんですよ、この安堵感について驚かされるのは。あなたは同じ家におられる。それが立体ビューアーを使うだけで、情況はまったく変わるんですからね。少なくとも他人にじかに会うのは、どんな感じがするものかということはわかりました。もう二度とごめんですね」
              (はだかの太陽[新訳版] 早川文庫)

 新型コロナウイルスでカミュのペストがベストセラーになってるそうだが。しかし、リモートワークを見ていてむしろ思い出すのは、SFミステリー史上に残る傑作「The Naked Sun(裸の太陽)」。
 ニューヨーク市警のベイリ刑事は、宇宙移民国家の一つ、ソラリアで起きた殺人事件の捜査に派遣される。ソラリアは宇宙国家の中でも特殊で、人口はわずか2万人。1人あたり3000平方キロ(東京都の1.5倍)の土地に1万台のロボットとともに1人ずつバラバラに暮らしている。大多数のソラリア人は生まれてから誰ともじかに会わずに一生を終える。他人との接触は本物のように見える立体ホログラムを使い、会話する。映像でしか他人と顔を会わせず、他人の家を訪問しない国でどうやって人を殺すのか。ベイリ刑事は捜査のために必要だと、ソラリア人の参考人や容疑者たちに直接の面会を強引に申し入れ、冒頭のようなことになる。
 密室殺人の設定を作るために考え出された宇宙国家だが、他人にじかに会うことを極度に恐れ、不潔きわまる慣習と断じるソラリア人の世界は、見えない新型コロナウイルスにおびえる今のソーシャルディスタンス社会そのものだ。

イソジン騒動は何が問題だったのか2020年08月12日 12:20

イソジン騒動は何が問題だったのか
 今回、大阪はびきの医療センターの研究結果は、新型コロナウイルスPCR陽性の感染者がポビドンヨードうがいをすると、唾液のPCR検査で陰性が多かったということだけだ。ヨードうがいで唾液中のウイルス濃度が減るのではないかというのはただの推論。もし、最初の記者会見で、「ヨードうがいでPCR陰性化が早かったが、統計的な検証がされた結果ではない。もしかしたら、唾液中のウイルスが減るのかもしれないが、確証はない」とだけ言ったら、おそらくニュースにならなかった。実際、最初の会見の記事を載せなかった新聞もある。
あのような騒ぎになった問題点をまとめると、

1)最初の会見で、はびきのセンターの医師が「ウイルスを含んだ唾液が肺に入ることで肺炎を起こすケースがある。唾液中のウイルス量を減らすことで重症化が抑制されのではないか」と発言。医学的にかなり突拍子もない飛躍だが、これが「イソジンは重症化を防ぐ」という見出しになり、売り切れ騒ぎの引き金になった。
2)会見が騒ぎになった後、吉村知事が「判明したのは、唾液中のコロナウイルスを減少させ、唾液PCRの陰性化を加速させること」と情報発信。ただの推論で、科学的に確証のない事を「判明した」と断言した。
3)会見で言ったのは、感染者がうがいした場合、唾液中のウイルス量が減るかもしれず、もしも減るとしたら、既感染者が周りに感染を広げるのを防ぐ効果があるかもしれないという事なのに、非感染者がうがいすれば感染を防げるという誤解が広まった。

 1)がなぜ突拍子もないのか。高齢者は飲み物や食べ物が間違って気管に入る誤嚥を起こしやすい。飲食物と一緒に唾液中の口内細菌が肺に入って起きる誤嚥性肺炎になることがある。誤嚥性肺炎は口内をきれいにすることである程度防げるとされる。だが、それは、本来であれば肺には入らないであろう口内細菌に関する話。普通に呼吸するだけで呼気と一緒に気管に入るであろうコロナやインフルなどのウイルスを防げるというのはトンデモ理論。
 2)に関しては、陰性化したからといって唾液中のウイルスが減っているとは限らない。そもそも、統計的に検証された比較ではないので、本当に差があるのかどうか疑わしい。

唾液陰性化率上昇=ウイルス減少ではない 府知事が統計でウソをつく法
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2020/08/06/9275935

イソジンで唾液のウイルス減ったが,なぜ重症化防ぐニュースに?
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2020/08/05/9275642

三角関数覚え方が無理な中高大学生の英語教育2020年08月13日 13:08

三角関数覚え方が無理な中高大学生
 有名な予備校講師が三角関数の講義をしている動画をたまたま見た。この図のようなsin、cos、tanの覚え方の定番を教えていたのだが。数学の講師としては優秀なのだろうが、英語教育の現場を知らないらしい。今の生徒にはこの覚え方はできない。「何?それ?」。私も2、3年前、中高生に英語に関するレクチャーをしていてショックを受けた。今の中高大学生は筆記体を知らない。見た事がないから書く事はもちろん読む事もできないのだ。私の手書き筆記体をまるで古代の暗号でも見るような目で見ていた。一瞬、「どんな落ちこぼれやねん」と思ったが、調べたらもう何年も前から学校の英語教育で筆記体は教えていない。

緑茶と紅茶は葉が違う 製法の差だけ常識の間違い2020年08月15日 08:20

緑茶と紅茶は葉が違う 製法の差だけ常識の間違い
 久しぶりにダージリンのファーストフラッシュを飲んだ(写真の真ん中)。この製品はたぶん本当のダージリンだ。茶葉はやや緑や黄色がかっていて、煎茶や中国茶に近い感じがする。紅茶の色合いも黄色みがあり、風味や味わいはいわゆる紅茶とは全く違う。日本茶や中国茶のお茶感があるのだ。「緑茶、紅茶、烏竜茶の原料は皆同じ茶葉で、加工法が違うだけ」。この俗説を信じている人が結構多いようだ。普通になじみのある紅茶と、日本茶や中国茶は葉が違う。茶葉の原料にある植物には2種類あるのだ。
 元々、お茶に使われていた葉は今では中国種(バラエティシネンシス)と呼ばれている。イギリス人が中国からインドに持ち込み、標高の高いダージリンで栽培したのが本来のダージリン紅茶。中国種はダージリンのような涼しい地域であればともかく、インドの熱帯気候は生育に向かない。いつごろの事かはっきりしないが、インドのアッサム地方で野生種として発見されたのがアッサム種(バラエティアッサミカ)。生物学的には同じ種とされているが、中国種より葉が大きく、背も高い。ニルギリ、ジャワ、ケニアなどもアッサム種を栽培した紅茶。英語でblack teaと言うだけあって、見た目が黒い。
 ところで、本来緑茶に使われる中国種をダージリンのように紅茶にしたものはあるが、その逆、本来紅茶に使われるアッサム種を緑茶にしたものは聞いた事がない。アッサム種の生の葉をかじってみた事があるが、中国種の葉に比べ、メチャクチャ苦い。発酵させて紅茶を作る過程で苦みが減る。おそらく、アッサム種を蒸すだけで発酵させない緑茶にすると苦すぎて飲めないのだろう。