インフルやコロナの型をイヌに例えると 新フルは狼(亜種)、新コロはジャッカル(別種)2020年04月03日 12:44

 インフルやコロナの新型とか毎年流行る型とか意味がよく分からないと質問されるので、イヌに例えて説明することにしている。
季節性インフルエンザのウイルスは、いま主に3種類。
A香港型(AH3N2型)、AH1N1pdm09型(いわゆる新型)、B型。
 A型とB型はよく似た近いウイルスだが、別種。これは、イヌ科の哺乳類でいえば、イヌとジャッカルの違いにあたる。A型の中で、H3N2、H1N1などの違いがあるのは、型の下の分類で亜型。この違いは亜種、イヌとオオカミの違いのようなもの。イヌとオオカミは交配し、子孫を残すことができるので、遺伝的には同種と言える。ただし、免疫学的には別なので、ワクチンは別々につくらないと効かない。A香港型にかかって免疫ができた人が同じ季節に新型(AH1N1pdm09型)にもかかることがある。
 これに対し、毎年、違うインフルが流行るのは、型や亜型が違うのではく、同じA香港型だけど株の違い。この変異株は、イヌで例えると犬種(品種)の違いだ。シェパードとチワワでは見た目がかなり違うので、免疫はだまされるが、どれもイヌ。
 さて、新型コロナウイルスと風邪などのコロナウイルスとの違いは、インフルでいえば、AとBの違いにあたり、イヌとジャッカルのように別種。ただし、新型とSARSウイルスは今のところ同種と考えられているようだ。では、新型コロナウイルスのS型とL型の違いはどうかというと、インフルの亜型の違いに近いと思う。ただ、アビガンの開発者の白木名誉教授は、S型とL型は免疫学的な抗原性にたぶん違いはないので、両方にかかることはないだろうと予想している。その辺が、インフルの亜型や変異株とは違う。
 じゃあ、「新型って何?」となると、決まりはない。これまで人類が知らなかったウイルスが出てきた時、すでに知られているウイルスの中に近い仲間がいない場合、エボラのように新しい名前がつく。すでに近縁のウイルスが知られている場合、新型コロナウイルス、新型インフルエンザと仮に呼んでるが、定着すればいずれ新型とは呼ばれなくなる。コロナの場合は別種の新型(イヌ科に、リカオンとかヤブイヌとか新しい種が発見されたようなもの)、インフルの場合は同種内の新型(イヌの中にハスキーとかケルピーとか新しい品種が生まれたようなもの)で、意味もあいまい。