アスピリンが肝癌予防 そりゃそうだろうね2020年03月24日 13:36

 低用量アスピリンがB型、C型肝炎患者の肝臓がんを予防するという研究結果がニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに載った。
 そりゃあ、そうだろうね。
 肝臓がんの原因の7割を占めるとされるC型肝炎は、C型肝炎ウイルスの感染で肝臓に起きる炎症。炎症が長く続く事で肝硬変からがんに進む。アスピリンは炎症を抑える薬なんだから。それ以外の効果も効いてるかもしれないが。
 ウイルスが病気を起こす理由は大きく分けると2つある。ウイルスそのものが悪さをする場合。感染した細胞を壊したり、がん化させたり。免疫細胞を壊すHIVや白血病ウイルスなどが典型。そして、ウイルスを排除しようとする免疫の反応が強すぎて高熱やせき、くしゃみ、下痢などが起きる場合。エボラもウイルス自体に毒があるというより、脱水症状で死ぬケースがほとんど。C型肝炎もその典型。ウイルスに感染すると肝炎になる理由を満屋博明さんは「江戸の火消し」と例える。火消しが家を壊して、炎が燃え広がるのを止めるように、人間の免疫機能がウイルスに乗っ取られた肝臓細胞ごと壊す。これが肝臓に起きる炎症。C型肝炎ウイルスはヒト以外の動物に非常に感染しにくい。でも、免疫機能を働かなくしたノックアウトマウスにヒトの肝臓細胞を移植すると、ヒトの肝臓ができてC型肝炎ウイルスに感染する。が、炎症は起きず肝炎にはならない。
 B型肝炎のがん化機構は単純な炎症でないとされるが、それでも効果があるようだ。
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa1912035