言葉が見つからなかった2019年12月25日 17:58

 一応、物書きの端くれ。物書きとは言葉を探す仕事だと思う。
知りあいの研究者の20代の長女が突然亡くなったと知らせがあった。詳しい事は分からない。家族が見つけた時には倒れて冷たくなっていたという。予期せぬ突然の心疾患らしい。
 仕事上の知りあいだが、その研究者は家で花見の会を開いていて、毎年、20人、30人の友人が集まっていた。たまたま近所に住んでいたBOØWYのドラムスが来ていた事もあるそうだが、浮世離れした学者たちなので誰だか分かってなかったという。その会で奥さんにも、小学生だった娘さんたちにも何度も会った事がある。
 たまたま東京を離れていたので、葬儀には出られなかった。もし参列したら奥さんたちにどんな顔をして会ったらいいのか分からない。
 生まれて初めて弔電を打つ事にした。全く言葉が見つからない。率直に「言葉が何も見つかりません」とご冥福をお祈りしたが、定番の家族への言葉がなかった。
 NTTに電話し、短いメッセージを伝えると、オペレーターが「家族の皆様におかれましてはご自愛を・・・と付けると、やわらかになりますが」と助言。そのまま従った。