50年前のBeatlesのチケット2019年11月07日 14:30

実家を整理するといろいろな物が出てくる。
 1966年6月、ビートルズの最初で最後の来日。母はその頃、夕食の支度をしながら毎日ラジオを聞いていた。ラジオの番組はプロ野球ばかりだが、文化放送だけは洋楽を流していた。しょっちゅうリクエストがかかっていたのはビートルズだった。
 武道館公演には当然、学芸部から人が行く。だが、何か事件が起きるかもしれないので、社会部からも行く。今も昔も、社会部の人間ほど社会を知らないものはない。行かされそうな若手たちは「何だビートルズって?」「学芸が行くんだから、どうして社会部が行く必要があるんだ」といかにも気が進まない様子。家に帰って、その話を父が母にすると、「ばかね、手挙げて絶対行くべきよ。今毎日ラジオでかかってる世界的に有名なグループよ」
 そこで、翌日、「誰か行きたい人?」と問われ、父は取られてはまずいと思い、勢い込んで「はいっ、はいっ、僕が行きます」と手を挙げたら、ほかに誰も志願者がなく、シラケた空気が漂ったという。
 感想を聞かれた父は、「三島由紀夫が来ていた。女の子がキャーキャー騒ぐから聞こえなかった」。
演奏が終わった後の引き上げる速さにも驚いたとか。
 さて、有名な話だが、来日のお土産はPaperback Writer。世界で初めて演奏すると言ったそうだ。
このライブのビデオを見た事がある。Johnがネイティブの発音でNowhere Manとか曲紹介しても、当時のファンには通じなくてポカンとしてるが、He's a real・・・と始まった途端、ギャーとものすごい雄叫びに包まれる。この静謐と喧噪のギャップが笑える。