緊急放流する理由は良い記事 たまには褒めないと2019年10月21日 12:45

 前回、「台風が来る前にダムをカラにしておけ」というイタイ人たちへの批判を書いたが、
毎日新聞の今朝の解説<台風19号 神奈川・城山ダムの緊急放流、混乱 「10時→9時半」直前>は、そういうちょっと考えれば分かる理屈が分からない大人に教えてあげるいい記事だった。ダムには水害を防ぐための治水目的の貯水容量と水道や発電など用水目的の貯水容量がある。当然、豪雨が来そうなときは、治水用はぎりぎりまで減らしておくだろうが、水道や発電用は決められた下限以下に減らすわけにいかない。 ところが記事によると、今回緊急放流した6ダムのうち、もともと水位が低かった1ダム以外の5ダムはあらかじめ用水用も放流していたがそれでも対応しきれなかったという。これってかなりの賭けで、もしも、そのまま水が増えなかったら、水が無いと苦情殺到である。
 想像してみて欲しい。台風の関東直撃に備えて、利根川水系、多摩川水系のダムをカラにして、もしも、ダム貯水池の上流に雨が降らなかったから、どうなるか。
「渇水は構わない」とかいう人もいたが、首都圏全域で何日も断水したら、死人が出るかもしれない。急に気温が上がるかもしれない。緊急車両で水を補給しようにも持って行く水がない。

小坊でも分かる ダムを事前に空にせず緊急放流する理由
http://kajiyan.asablo.jp/blog/2019/10/16/9165561