天声人語が卑怯な技を使っていいのか ― 2019年01月20日 11:47
天声人語は大学受験をする高校生のための物で、大人の読むような物ではないと思っている。で、かなりしばらくぶりに読んだらひっかかった。
テーマはJOC疑惑。「復讐は冷まして食べる料理だ」とフランスの諺を引き合いに出し、ゴーン疑惑の意趣返しかと続け、<一瞬、そんな疑念もよぎってしまったが、「江戸の敵を長崎で」式の単純な話ではあるまい>
「意趣返しかもしれない」と思った人はたくさんいるだろう。私も思った。思うのは自由である。また、無責任なネットの書き込みなら、単なる思い込みを書き散らかすのも自由だ。
だが、「意趣返しかもしれない」と思った時、頭に浮かんだのは、もし、そういう推測を書くとしたら、「フランスの司法当局が調査に着手したのはいつごろなのか」「竹田会長の聴取はいつごろから計画されていたのか」「ゴーン逮捕後に、捜査の方針変更などがあったのか」などの状況証拠をある程度確かめなければならないな、ということだ。
社会人1年生だったころ、上司からよく叱られた。「コラムだからって、自分が思ったことを何でも書いていいということはないんだぞ」。たとえ、署名の入ったコラムであっても、調べた事実に基づいて書かなければならない。根拠のない推測や印象をそのまま書けばすむというものではない。
諺まで使って「敵をとるならじっくり策を練ってからと教える」とあおるような事を書いておきながら、裏付けも取らず、「単純な話ではあるまい」と逃げるのはサボリだ。社内メールで、「(上司の)○○さんが◇◇という噂を聞いたけど、まさかそんなことはないですよね」と質問形式で悪口をばらまく手法があるが、それと同じ。
天声人語は高校生の文章のお手本として入試に出る。新聞の表表紙を飾る看板として横綱相撲を見せる義務がある。高校生にこんな姑息な手法を教えてはいけない。
テーマはJOC疑惑。「復讐は冷まして食べる料理だ」とフランスの諺を引き合いに出し、ゴーン疑惑の意趣返しかと続け、<一瞬、そんな疑念もよぎってしまったが、「江戸の敵を長崎で」式の単純な話ではあるまい>
「意趣返しかもしれない」と思った人はたくさんいるだろう。私も思った。思うのは自由である。また、無責任なネットの書き込みなら、単なる思い込みを書き散らかすのも自由だ。
だが、「意趣返しかもしれない」と思った時、頭に浮かんだのは、もし、そういう推測を書くとしたら、「フランスの司法当局が調査に着手したのはいつごろなのか」「竹田会長の聴取はいつごろから計画されていたのか」「ゴーン逮捕後に、捜査の方針変更などがあったのか」などの状況証拠をある程度確かめなければならないな、ということだ。
社会人1年生だったころ、上司からよく叱られた。「コラムだからって、自分が思ったことを何でも書いていいということはないんだぞ」。たとえ、署名の入ったコラムであっても、調べた事実に基づいて書かなければならない。根拠のない推測や印象をそのまま書けばすむというものではない。
諺まで使って「敵をとるならじっくり策を練ってからと教える」とあおるような事を書いておきながら、裏付けも取らず、「単純な話ではあるまい」と逃げるのはサボリだ。社内メールで、「(上司の)○○さんが◇◇という噂を聞いたけど、まさかそんなことはないですよね」と質問形式で悪口をばらまく手法があるが、それと同じ。
天声人語は高校生の文章のお手本として入試に出る。新聞の表表紙を飾る看板として横綱相撲を見せる義務がある。高校生にこんな姑息な手法を教えてはいけない。
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