マンガやラノベの小鳥遊はウソ2019年01月14日 02:11

 名字研究家・森岡浩さんに話を聞きに行った時、自分の名字について鍛治の治は「先祖が書き間違えたんですかね」と尋ねたら、「治めるというのは良い字なので、ワザと変えた可能性があります」と言っていた。
 つまり、刀鍛冶など職業の鍛冶から生まれた姓で、元々、鍛冶と名乗っていた先祖が、ある時、ワザと鍛治に変えたのかもしれないのだ。
 なぜワザと字を変えるのか。詳しくは森岡さんの本(「決定版! 名字のヒミツ」、「なんでもわかる日本人の名字」など)に出ているので読んで欲しいが、例えば、作家の飯干晃一やその娘で女優の飯星景子の本名は宮崎県の飯干という地名から生まれた名字だ。
 その飯干家から川をはさんだ熊本県側に分家ができる際、本家と同じ名字を名乗るのは恐れ多いと改名したのが飯星。明治になるまでの日本は自由に名字を名乗ってよかったので、こういう改名がよくあった。読み方は同じで漢字を変えるか、漢字は同じで読み方を変えるのが定番だ。恐れ多いと言いながら、本家より良い字に変えてしまうという。
 この種の改名で一番有名なのが、高梨家の分家のギャグのようなやり方だろう。
高梨=鷹無し。鷹がいなければ雀などが羽を伸ばすだろうから、小鳥遊でタカナシ。和歌山県にほんの数世帯だけあり、しかも跡継ぎの子供が劇少なのでいつ滅びるか分からない名字だ。
 小鳥遊姓はマンガやラノベの結構有名なキャラに使われているが、小鳥遊一族がそんなにいるわけないからあれはウソ。まあ、そもそもマンガやラノベはウソなんだから目くじらを立てるような事ではないが。

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