テレビの常識変えた紅白の(イタイ)プロデューサー 仮面ライダーな役者たち22018年12月28日 07:02

 今年の紅白に民放アニメ「ラブライブ・サンシャイン」でアイドルグループを演じる声優たちがその役のままゲスト出演すると報道されていた。以前にも先輩グループが出ていて、もう馴れてしまっているが、これって本来なら異常な事なのだ。
 NHKはCMや宣伝をしてはならない組織。例えば、少年ジャンプを舞台にしたマンガ「バクマン」をアニメ化する際、原作には実名で登場するジャンプ編集部を仮名にしていた。
 NHKだけでなく、他局の番組を取り上げないというテレビの常識を変えてしまったのは、数年前、紅白に仮面ライダー響鬼(細川茂樹)を呼んでしまったイタイプロデューサーじゃないかと思う。

 もともとNHKは、紅白で布施明にかつての大ヒット曲「シクラメンのかほり」を歌わすつもりだった。だが、布施は今さらそんな昔の歌ではなく、今年の「少年よ」を歌いたいと言った。そのとき放送中だった仮面ライダー響鬼の主題歌だ。
 NHKのプロデューサーは響鬼のことを知らなかったのかもしれないが、「いいですね」ということになった。しかし、CMを絶対許さないNHKで民放のテレビ番組の主題歌が認められるのだろうか。
 で、主役の細川茂樹にも出演オファーがあった。
 プロデューサーはさらにイタイことに「せっかくだから仮面ライダーも紅白に呼んじゃいましょう」。
いや、無理でしょう、とツッコムのが普通。
 だが、プロデューサーは響鬼を放送している局に話を付け、制作会社の東映に交渉して本当に響鬼やサブキャラの仮面ライダーたちを呼んでしまった。細川も変身する前の響鬼として、紅白の舞台に立つことに。NHKには他局の社員である響鬼のスタッフも控えていたという。
 民放で今まさに放送中の番組の主役キャラクターを紅白に出させるなんて前代未聞。テレビ業界の常識ではあり得ないことだったが、実現させてしまった。
 その後の紅白は民放アニメの着ぐるみが出たり、やりたい放題だ。
いま、民放では、MCが「裏番組の方がおもしろい」と言ったり、出演者が出ている他局の人気番組の映像を流したり、と昔は考えられないことがある。そんなことをしてもいいのは世界のキタノことビートたけしだけだった気がする。
 例えば、日テレの有吉反省会に週に何十本も見るほどアニメ好きという日テレアナウンサーが出た時。一番好きなアニメは、今まさに出ている有吉反省会の裏でやっている「ラブライブ」だと答えた。どちらをオンタイムで見るかと聞かれたら、社員でありながら、迷わずラブライブと答えた。これなんか面白いから言わされているのだろう。だって、週に何十本も見るほどのアニメマニアの一番がラブライブって事はないんじゃないかと。

 こんな風潮は紅白の響鬼がきっかけで広まったのではないか。あのお堅いNHKですらあそこまでやるんだから、という感じだろう。
 さて、俳優・細川茂樹は響鬼の放送中、バラエティー番組に出まくって、よく響鬼の話をしていた。少しでも多くの人に響鬼を見てもらいたいからだが、役者としてのファンからはバラエティー出演に非難めいた反響も来る。それに対してどう思うか。細川の返事は大変興味深かったが、本人の許可を得る方法がないので、書くことはできない。

 「科学と関係ないじゃん」と言われそうだが、仮面ライダー話続きます。