本庶さんノーベル受賞はなかったはずに大反対 アリソン単独が本来というプロの人たち2018年12月09日 03:00

 今回のノーベル医学生理学賞は、京大の本庶佑さんとアメリカのアリソンさんの共同受賞だ。
 だが、ここ数年、医療研究のプロの間の下馬評では、アリソン単独受賞で、本庶さんは取れないのではないかという見方がけっこう多かった。
 受賞が決まった後も、「取れるかどうか危ういと思っていたので、ほっとした」というプロの感想があった。私は生命科学に関しては素人だが、この意見に大反対だ。結果が出たから言うのではない。何年も前から本庶さんが外れるという見方に異議を唱えていた。「宝くじの高額当選確率バラは連番の2.5倍」説のような物的証拠はないが。

 アリソン単独になるはずという意見の根拠は主に2つだろう。

①ラスカー賞はアリソン単独で、本庶さんは取っていない。

 ラスカーはアメリカのノーベル賞、医学界最高峰の賞などと言われ、生命科学や医学の分野の研究者がノーベル賞を取る直前に取る事が多く、ノーベル生理医学賞の前哨戦などと呼ばれている。ラスカーもそれを意識してノーベル賞を取りそうな人に先に出すよう意図的にやっているという噂だ。
 だが、大隅良典さんや大村智さんなどラスカーを取っていないノーベル受賞者もいる。
そもそもアメリカの賞はアメリカ人によるアメリカ人のための賞になりがちで日本人は不利。ノーベル賞も欧米への偏りが多少あるが、ずっとグローバルだ。
 アメリカでのあるノーベル賞予想を見たら、アリソンだけでなく、本庶さんの発見したPD-1に関してもアメリカ人が受賞するかのように書いていて、本庶さんにはまったく触れていないのにビックリした。PD-1までアメリカ人が見つけたような書き方なのだ。
 だが、ノーベル賞の選考委員会がラスカーの後追いと言われたくなくて、あえて深い調査に基づく違う判断をすることだって考えられるだろう。

②免疫のブレーキを外す事でがんを倒す免疫チェックポイント阻害剤を考え出したのはアリソンであり、本庶さんのオプジーボは二番煎じでオリジナリティーがない。

 これについては次回に。