全部買い占めると必ず儲かる宝くじが海外にはあった2018年11月30日 19:02

 宝くじの賞金総額を全売上額で割った数字を還元率(払い戻し率)という。宝くじを全部買い占めた時、受け取る賞金額を買い占めに使った額で割った率だ。くじの発売元(胴元)が必ず儲かる仕組みだから、当然、還元率は1より小さい。日本の宝くじは50%以下と法律で決まっていて、世界的にほとんど例がないほど割に合わないギャンブルだ。
 さて、海外では還元率が1を超えてしまう宝くじがある。当選者が出なかった場合、その賞金を次回に持ち越す「キャリーオーバー」という仕組みが原因だ。胴元は前回、前々回の発売で巨額な利益を出しているから、トータルでは損はしない。しかし、キャリーオーバー連続でとんでもない額になった当選が出たときだけ、見かけ上、賞金額が総売り上げを超える出血サービスのような状態になる。
 実は、このことを利用して、莫大な利益をあげたオーストラリアの投資グループがある。そのグループは92年、アメリカ・バージニア州の1枚1ドルのくじすべての組み合わせ706万枚を買い占めると、2790万ドルの賞金が当たることに気づいた。還元率は395%で、約4倍。各地の売り場にバイトを動員し、3日間で500万枚買い、2700万ドルの賞金を手に入れた。バイトへの支払いを別にすれば、約5億円の投資で、約22億円儲けたことになる。
 このようなやり方は不法であると、胴元と訴訟沙汰になり、その後はこういうことができないような仕組みになったらしい。
 還元率の上限が50%と決まっている日本の法律でも、キャリーオーバーで一時的に100%を超えるのはいいそうだ。ただし、自分で自由に番号を選べないTOTOなどでは、すべての組み合わせの買い占めは不可能だ。

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