不愉快だぞ、NHK!(1) アニメ「英国一家~」のスタッフは日本文化なんて好きじゃないんじゃないの2018年11月26日 00:08

 ここ何年か日本を誉める番組がはやりだ。日本人が育んできた謙譲の美徳はどこに?という違和感を覚えるが、まあそれはおいといて。英国のジャーナリスト、マイケル・ブースの「Sushi and Beyond: What the Japanese Know About Cooking」を原作にしたNHKのアニメ「英国一家、日本を食べる」もそういう番組の一つだろう。
 番組の趣旨は、英国人一家の目を通して、視聴者に食を中心とした日本の伝統文化を再認識してもらおうというような感じだと思う。ところが、これを作っているスタッフはホントに日本の文化を理解しているのか、その良さを伝えたい思っているのか、疑問に感じる演出が多々あった。
 例えば、ブース一家がマナー教室に行って、箸使いの作法を教わるエピソード。とりあえず食事を始めると、講師から次と次と禁止事項のだめ出しをされ、長男がキレる。
「いったい何でこれがダメなのさ」
 すると、講師が逆切れ。
「ダメだからダメなんです」

 このエピソード、原作をパラパラと見た限り、オリジナルにはないようだった。いかにも笑いのセンスが貧しいスタッフがとってつけたようなドタバタシーン。おそらくアニメの制作スタッフが独自に加えたものではないか。
 ブースがなぶり箸を注意されているが、ナイフやフォークをなめるのは英国のテーブルマナーでもアウトだと思うが。
 そして、疑問。スタッフはこのエピソードを作るに当たって、本当にマナー教室で体験取材をしているのだろうか?
 箸の作法を教えるプロの講師が「ダメだからダメ」などという教え方をするだろうか。
 なぜ、ダメなのか。すべてにいかにも日本人らしい理由があるのに。
 そして、好奇心が旺盛で、未知の文化に対して謙虚なブースであれば、絶対こんな底の浅い取材はせず、箸の使い方に込められた思いを講師から聞きだして日本への興味をより深めたことだろう。
 だいたい、ここに出てきた禁止行為のいくつかは日本の平均的な家庭であれば親から子に普通のしつけとしてその理由とともに伝わっている類いのものだ。このスタッフはまともなしつけも受けてないのだろうか。だったら、日本の伝統文化を扱う番組の制作者として人選を間違っている。

 科学がまったく登場しないので、続きでちょっと科学っぽい話を書きます。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://kajiyan.asablo.jp/blog/2018/11/26/9003373/tb