凄まじい反響だった「宝くじの高額当選確率 バラは連番の2.5倍」(1)2.5倍説の最初の発見者は私2018年11月19日 19:50

 まもなく年末ジャンボ宝くじが発売される(11/21)。ので、このブログの最初のテーマは、今から8年前に私が書いた「宝くじの高額当選の確率はバラで買った方が連番より2.5倍高い」という話を取り上げようと思う。
 宝くじに詳しくない人のために説明すると、10枚買う場合、バラは番号がバラバラ、連番は190000番から190009番までのように番号が続いている買い方だ。
 なぜ2.5倍になるのか、内容は小学生にもわかるような理屈だが、それまでこの2.5倍を指摘した人がいなかったせいか、経験したことがないような反響を呼んだ。具体的な数値は言えないんだけど。中には、半年もかけて私の書いた内容を検証した個人サイトもあった。そのサイトも大変なアクセスを稼いだらしい(小学生でもわかることになのになぜ検証に半年もかかるのか不思議なんですが)。このサイトは大変興味深いので後に詳しく取り上げようと思う。
 私が書いて以降は、この知識が急速に広まり、いろいろなサイトにも書かれるようになったようだが、困った面もある。
 2.5倍という数字だけ一人歩きしてしまったのだ。これはこのブログで何度も取り上げることになるだろう「倍率のトリック」の典型例。
 2.5倍って結構大きい印象がある。だが、実際は、「100万分の1」の確率がたかだか「40万分の1」になるぐらいのこと。数学的には意味のある違いでも、日常生活で考えればどっちもほぼゼロみたいなもんだ。
 そこで、ここで改めてなぜ2.5倍になるのかを取り上げ、さらにはなぜ、この小学生でもわかるような理屈を指摘する人がそれまでいなかったのか、という謎にも迫りたい。私は8年前に書くに当たっていろいろなサイトや文献を探したが、2.5倍という数字を書いているものが見つからなかった。もしも、2010年の11月より前にこれ(バラの方が2.5倍)を書いていた本なり、サイトなりを知っている人がいたら、ぜひ教えてほしい。

 まずはきっかけから。たぶん、小学校低学年のころ。身近な大人が「宝くじを買おう」と盛り上がった。そのとき、「バラよりも連番で買った方が1等と前後賞総取りできるから得だ」と言っていたのだ。
 これはおかしい。子供心に思った。買い方によって結果の損得があるはずがない。だが、当時の私はまだ確率について知識がほとんどなく、どうおかしいのか、具体的に説明や証明ができなかった。
 なぜそれがあり得ないのか、明確な論理を組み立てることはできないが、そんなことがあったら数学的、科学的におかしい。そう思う心が「科学する心」である。
 そして、科学する心は予見する。狭い範囲だけを覗いていると一方が得しているように見えるが、その分、どこか別な場所で損していて、広い範囲を眺めると結局全体でバランスが取れているはずだ、と。

(2)に続く

凄まじい反響だった「宝くじの高額当選確率 バラは連番の2.5倍」(2)私の解説以前、ネットには確率は同じと書かれていた2018年11月19日 20:57

 前回、「バラの方が高額当選確率2.5倍というのを初めて指摘したのは8年前の私だ」と書きました。しつこいようですが、その私の2010年11月より前に指摘したものがあるという情報をお持ちの方、ぜひ、お知らせください。
 それを書くより数カ月前のある日、ある質問サイトを見ていたら、「連番とバラで高額当選確率はどちらが高いか」という質問があった。で、その回答の中に「どちらでも確率は同じです」という間違った答えを書いている人がたくさんいた。
 また、確率が違うと書いてる人もどれぐらい違うのかは書いてない。つまり、まともな回答は一つもなかった。
 それが、8年前にこのことを書こうと思った動機だ。
書く時の常套手段だが、そのことに詳しい専門家を見つけ、その人に話を聞いて書く。ところが、いろいろな本やネットなどでいくら探しても連番とバラの高額当選確率について書いたり、言ったりしている専門家がいない。
 そこで、方針変更。まず、自分で答えを出し、その答えが正しいかどうか専門家に検証してもらうという方法を取ることに。
 さて、いきなり年末ジャンボ宝くじで計算するのはあまり賢くない。年末ジャンボは、当時で、100組×10万通り=1000万種類の番号がある。いまは200組に倍増したので、なんと2000万種類。
 こういう時、科学する心は、最小のモデルをつくって答えを出し、後で数をデカくして確かめるというのが割と定番だ。
 そこで、私が1枚100円で、0-99の100枚の宝くじという例を考えた。総額1万円。1等は5000円、前賞、後賞は1500円ずつ。
 さて、連番かバラで10枚買ってみよう。
連番は50~59の10枚。バラは9の倍数(9、18、27、・・・、90)で10枚とした。
 1等の抽選をする。
 連番の場合。もし、1等が51から58までになれば、連番君が1等前後賞総取りで8000円の賞金。その確率は8/100=0.08。1等が50か59なら1等と前か後どちらかの2賞独り占めで、6500円の賞金。確率は2/100=0.02。1等が49か60なら前、後どちらかで、1500円の賞金。確率は同じく0.02。どれかしらに当たる確率は、これら三つの和で、0.12になる。
 バラの場合。1等が9の倍数なら1等あたり。5000円の賞金。確率は10/100=0.1。1等が9の倍数より1多い時(10、19、28など)、前賞あたりで1500円の賞金。確率は同じく0.1。1等が9の倍数より1少ない時も同様で、2000円の賞金、確率0.1。
 バラの場合、絶対、1等と前後賞は重ね取りできないので、どれかしら当たる確率はこれら三つの和で0.3。
 連番の0.12のちょうど2.5倍の確率だ。
9の倍数でなくても、5の倍数でも7の倍数でも変わらない。11、13、15、17、19・・・みたいな複数の賞が重なる可能性のある買い方でない限り、バラがどれかにあたる確率は0.3だ。
 連番は賞を独占して大もうけできる可能性があるが、どれかにひっかかる確率は低い。バラは総取りや二重取りは絶対できないがどれかに当たる確率は連番よりいい。
 幼い日の科学する心が予想した通り、損得のバランスが取れているのだ。
 これを確率の用語では期待値が同じと言う。期待値とは買った額に対して、確率的にいくら戻ってくると期待できるかという値だ。このミニくじでは1枚100円で期待値は80円、10枚1000円なら800円。すべて買い占めた時、1万円の購入額に対して、もらえる賞金総額は8000円で、この比率0.8を還元率や払い戻し率という。期待値は買った額に還元率をかけた額になり、どんな買い方をしても同じなのだ。

さて、(3)では、いよいよこれを実際の年末ジャンボにあてはめてみる。

凄まじい反響だった「宝くじの高額当選確率 バラは連番の2.5倍」(3)年末ジャンボに当てはめると2018年11月19日 21:23

 では、前回の結果を11月21日に発売になる実際の年末ジャンボ宝くじにあてはめてみよう。

 まず、高額当選っていくらなのか決めておこう。10枚買うと出費は3000円。元手3000円なら、3、4等の10万円、100万円でも十分高額だって人もいるかもしれない。しかし、一応、1億を超える1等(7億円)と前後賞(各1億5000万円)を高額当選としよう。
 年末ジャンボは200組×10万枚で、2000万通りの番号がある。この2000万の番号のうち、1等の番号は1つだけ。なので、バラで10枚買うと、1等の当選確率は200万分の1。前後賞も1つずつしかなく、当選確率は同じ。従って、1等前後賞どれかに当たる確率は200万分の3。約67万分の1になる。
 連番の場合、前回とまったく同じような計算手法になり、1等前後賞総額10億円独り占めは、確率2000万分の8。250万分の1だ。1等と前後どちらか二重取りは2000万分の2で、1000万分の1、前後賞どちらか一つも同じく1000万分の1。どれかに当たる確率は3つの和で、500万分の3。約167万分の1。
 バラの方が2.5倍になっていることがわかる。
ところで、年末ジャンボの期待値や還元率はどれぐらいか。1枚300円買って期待値は148円ほど、還元率は49%ほどだ。なんと法律で宝くじの上限が50%と決まっている。

 次回は、8年前の私の指摘を取り上げたあるサイトについて話題にする。なぜ、こんな小学生もわかる簡単な理屈なのに「バラは2.5倍」を私以前に指摘する人がいなかったのか。その謎解きのいいヒントが隠されている。

凄まじい反響だった「宝くじの高額当選確率 バラは連番の2.5倍」(4)他人(私)のふんどしでアクセス集めたブログ2018年11月19日 22:50

 (1)でも書いたが、8年前の2010年11月、私がこの2.5倍というおそらく初の指摘をすると、即座(ほぼその日のうち)に、ある個人のサイト(ようするにブログだけど)がこれについて取り上げた。
 「宝くじの買い方、連番よりバラの方が当選確率が高い」というタイトル。このブログ主は私が書いたことは「間違いだ」と思って、その誤りを証明するためにブログでその検証を始めたらしい。

 さて、この彼だか彼女だかわからないブログ主は最初の方で「高額当選という言葉」「そもそも、普通の人が日常的にこんな言葉を使うことは少ないはず」と書いている。私も普通の人は「高額当選という言葉」を使わない気がするが、宝くじが好きな人、宝くじへの関心が強い人は高額当選という言葉を使う。実際、そういう質問をQ&Aサイトで見たし。
 このことから、この人は、宝くじにあまり詳しくないらしいとわかる。ただし、確率に変化が起きるみたいな不思議なことを書いているので、確率に関しても生半可にかじっているだけで、確率の専門家ではないようだ。
 そして、この人が最もひっかかっていたのは、私がこれまでの(1)~(3)であえて詳しく解説しなかった「バラだと2つ以上同時にあたることはない」という点だ。
 この2つ以上とは1等、前後賞の3つのうち、どれか2つもしくは全部のこと。
 確かに8年前、私はなぜ同時に当たらないのか説明をしてなかったが、断定する以上は確かな根拠があることを行間から読み取ってほしかった。
 で、結局、この人、その疑問について確定的な答えも得られず、約半年後の2011年6月、ブログに続編を書き、私の2.5倍説について、厳密な証明はできないが正しそうと曖昧な軍配を上げている。そんな曖昧さにもかかわらず、このネタでものすごいアクセス数だったらしい。当時は一般的ではなかった今風の言い方にするとPV荒稼ぎしたようだ(他人のふんどしで)。
 私もこの人よりは確率について正しい知識を持っていると思うが、専門家ではない。だから、私の導いた答えを確率の専門家に検証してもらった上で書いているのだ。
 さて、バラで同時当選はないことを、この人は半年もかけて結局突き止められなかった。私ならそれを確かめるのにおそらく1週間もかからない。それは能力の差の問題ではない。この人と私のやり方に決定的な違いがあるからだ。
 この人はバラについて、ネットだけで答えを探そうとしていた。だが、それはあまり賢いやり方ではない。必要とする答えを得るという目的に照らして、ネットには良質な情報がない場合が多い。
 もしも私なら、どっかヒマそうな宝くじの売り場に行ってそこのおばちゃんかおじちゃんに「バラって、1等と前後賞一緒に当たらないの?」ときく。そうすればすぐ教えてくれるだろう。
 宝くじを買わなければならなくなるのがイヤというなら、気持ちは分かる。それなら宝くじの発売元に電話して聞いてみればいい。彼らはサービス業だからそういう問い合わせに親切に答えてくれるはずだ。電話代の数十円が惜しい? それとも、ブログではあんなに饒舌なネット弁慶だが、知らない人とは会話できない人見知りさんなのだろうか。
 では、種明かしをしよう。バラは本当にバラバラで、でたらめな数字の10枚ではない。いくつかの規則性があるバラバラなのだ。
 まず、バラ10枚の番号で末尾の数字は0から9の10個がそろっている。だから、連番と同じで7等300円が必ず1枚当たる。
 そして、ポイントだ。バラ10枚はすべて組が違う。1等と前後賞は同じ組だから絶対同時には当たらないのだ。
 それ以外にも何か規則性があるらしいが、面倒なので省略。
以上のバラの仕組みについては私も知らなかった。知らなかったから宝くじの専門家に教えてもらったのだ。
 おもしろいことに、確率の方の専門家に私の100枚くじのミニモデルを検証してもらった時、やはり、バラは同時当選がないことを知らずに最初は計算していた。バラは完全にランダムに選ばれた10枚で、その中にたまたま連続する数字が含まれる場合もあると考えてしまいがちなのだ。

 さて、初回(1)の疑問に戻ろう。バラは2.5倍という小学生にもわかるような理屈を2010年11月の私以前に指摘した人がなぜいなかったのか。賢明な人はもうお気づきだと思う。
 答えは簡単だ。
確率を知っていたら宝くじなんて買わない。
そして、宝くじを買う人は確率なんか知らない。
だから、宝くじと確率の両方のことをよく知っている人がいないのだ。
 前回に書いたが、年末ジャンボなどの宝くじの払い戻し率は50%未満。10枚3000円買って期待できる賞金額は1480円ぐらいなのだ。競馬、競艇、パチンコなどあらゆるギャンブルと比べて、もっとも割に合わない。確率を知ってたらもうバカらしくて。
 確率の専門家はそもそも宝くじに興味ないし、バラの仕組みとかよくわからないから、検証してみようなんて思わない。これが意外にロトとかだとそのシステムが数学や確率論の対象として面白いらしい。つまり、「バラは2.5倍」は誰でもわかるようなことだが、誰も考えてみようとしなかったのだ。

がんと診断後、1年以内の自殺20倍 本当に大問題なのか 倍率で人をだます方法2018年11月24日 14:37

 「がん患者:診断後自殺リスク、1年以内20倍 サポート充実必要--10万人調査」。ある日、全国紙の夕刊1面トップにこんな記事が載った。社会面にも解説があって対策の必要性を強調していた。
 これは特ダネではない。複数の病院が参加した研究班がその日の朝、班を代表する病院のサイトで発表した研究だ。特ダネでもないのにこの扱いは異例で、ニュースにするべき大問題と判断したということになる。
 約10万人の人を約20年間追跡調査。追跡期間中に561人が自殺。そのうち、がんと診断されていたのは34人。診断後1年以内に自殺したのは13人。その率はがんになっていない人の23.9倍だったという。
  医療関係者は衝撃的な数字と言っていると記事にはある。本当にそうか。
 宝くじのバラと連番の高額当選確率2.5倍と同じで、そもそも自殺するのがどれくらいの割合なのかが書いていない。「科学する心」は23.9倍という数字だけしか書いてないことをうさん臭いと感じる。
 そして、科学する心があれば、書いてなくてもおおよその比率を出せる。20年間で561人ということは1年間で28人ほど。10万人で28人ということは、健康な人が1年間に自殺する比率は0.028%。日本人の成人が約1億人とすれば年間2万8000人で日本人の自殺年間約3万人ともよくあう。
 23.9倍しても0.8%程度。つまり、がんと診断されても1年以内の自殺は1%未満なのだ。
 実は、新聞記事や研究班のサイトには書かれていないが、論文には書かれている重要な数字がある。この研究で期間中にがんと診断された人の人数約1万1000人だ。1年以内に自殺したのは13人だから、0.1%程度なのだ。つまり、健康な人が1年以内に自殺する確率は0.005%程度なのが、がんと診断されると0.1%程度にあがる。
 上の概算よりかなり小さいが、上のは統計的な処理などを一切無視した算数に過ぎないから精度はこんなものだろう。
 1年間に新たにがんと診断されるのは80万人ぐらいだから、自殺するのは800人程度。毎年3万人の自殺者の2%ぐらい。
 人材や予算を投じてまで防がなければならないほどの数だろうか。
 さて、この研究者が一般向けやマスコミ向けに重要な数字を隠して発表しているのは自分の業績を大きく見せ、宣伝してもらうための意図的なものだろう。
 書いている記者はどうなのか。記者もだまされている可能性はあるが、専門記者がこんな単純でよくあるトリックに引っかかるとは信じられない。上司などをだまして、自分の記事を大きくしてもらうために、トリックに気づいていながらわざと黙っていたのではないか。

不愉快だぞ、NHK!(1) アニメ「英国一家~」のスタッフは日本文化なんて好きじゃないんじゃないの2018年11月26日 00:08

 ここ何年か日本を誉める番組がはやりだ。日本人が育んできた謙譲の美徳はどこに?という違和感を覚えるが、まあそれはおいといて。英国のジャーナリスト、マイケル・ブースの「Sushi and Beyond: What the Japanese Know About Cooking」を原作にしたNHKのアニメ「英国一家、日本を食べる」もそういう番組の一つだろう。
 番組の趣旨は、英国人一家の目を通して、視聴者に食を中心とした日本の伝統文化を再認識してもらおうというような感じだと思う。ところが、これを作っているスタッフはホントに日本の文化を理解しているのか、その良さを伝えたい思っているのか、疑問に感じる演出が多々あった。
 例えば、ブース一家がマナー教室に行って、箸使いの作法を教わるエピソード。とりあえず食事を始めると、講師から次と次と禁止事項のだめ出しをされ、長男がキレる。
「いったい何でこれがダメなのさ」
 すると、講師が逆切れ。
「ダメだからダメなんです」

 このエピソード、原作をパラパラと見た限り、オリジナルにはないようだった。いかにも笑いのセンスが貧しいスタッフがとってつけたようなドタバタシーン。おそらくアニメの制作スタッフが独自に加えたものではないか。
 ブースがなぶり箸を注意されているが、ナイフやフォークをなめるのは英国のテーブルマナーでもアウトだと思うが。
 そして、疑問。スタッフはこのエピソードを作るに当たって、本当にマナー教室で体験取材をしているのだろうか?
 箸の作法を教えるプロの講師が「ダメだからダメ」などという教え方をするだろうか。
 なぜ、ダメなのか。すべてにいかにも日本人らしい理由があるのに。
 そして、好奇心が旺盛で、未知の文化に対して謙虚なブースであれば、絶対こんな底の浅い取材はせず、箸の使い方に込められた思いを講師から聞きだして日本への興味をより深めたことだろう。
 だいたい、ここに出てきた禁止行為のいくつかは日本の平均的な家庭であれば親から子に普通のしつけとしてその理由とともに伝わっている類いのものだ。このスタッフはまともなしつけも受けてないのだろうか。だったら、日本の伝統文化を扱う番組の制作者として人選を間違っている。

 科学がまったく登場しないので、続きでちょっと科学っぽい話を書きます。

不愉快だぞ、NHK!(2)創業120年江戸前の老舗・浅草寿司清が本当に養殖魚を出してるの?2018年11月26日 07:59

 さて、前回に続き、NHKのアニメ「英国一家、日本を食べる」の話。寿司を取り上げた回があった。なにしろ、原作の原題は「Sushi & Beyond」(寿司、そして、その向こう側みたいな意味でしょうか)。
 で、本編のアニメ部分が終わった後、エンディングで浅草の老舗・寿司清の主人がいろいろなネタを握るのに合わせて、「江戸前LOVE」と連呼するラップ調の歌が流れるのだが。江戸前を真に愛する者にとっては聞き捨てならない歌詞の内容だった。
 春夏秋冬に応じたネタを握っていくのだが、
「実りの秋のおすすめは何? サーモン、サンマ、イクラ、・・・」
 サーモンは江戸前のネタじゃないし、秋の味覚でもないし。日本の伝統文化ではサケ・マス類を生で食べる習慣はなく、従って江戸前のネタにもない。寄生虫がヤバイからだ。
 寄生虫はサーモンが食べるオキアミなどの中にいる。エサを管理して養殖することで生で食べられるノルウェー産のアトランティックサーモンなどが日本に入ってくるようになった。養殖なので基本1年中、手に入る。
 また、最近はニジマスなどを海で養殖した国内のご当地サーモンも盛んだ。こちらは夏が出荷最盛期のものが多い。
 いわゆる日本の鮭(シロサケ、秋味)は水温の関係で海での養殖が難しく、養殖物はない。
 こんな基本知識もないスタッフが日本の食文化への知識を深める番組を作ろうとは片腹痛い。
 ところで、江戸前の老舗は天然物しか握らないのが矜持だったはず。寿司清では本当に養殖魚のサーモンを出しているのだろうか。だとしたら、時代もずいぶん変わったものだ。私はサーモンを出すような所は江戸前ではないと思うし、そんな所に行きたくない。
 もし、サーモンなんか握ってないし、出してもいないのに、勝手にあんな歌詞を付けたのだとしたら、撮影に協力してもらったのに、営業妨害も甚だしい。

不愉快だぞ、NHK!(3) 旬の意味も知らずに食の番組作ってるのか? ― 2018-11-262018年11月27日 00:10

 NHKのアニメ「英国一家、日本を食べる」の寿司の回の続き。前回、紹介した「江戸前LOVE」と連呼するラップ調の歌。そのタイトルは番組の原題と同じ「Sushi & Beyond」。それにはこんな歌詞もあった。

「旬のネタはいつも高騰」

 これ、まるっきり逆。旬というのは最盛期を意味する「盛り」とほぼ同義。魚介類や農作物がたくさん取れてもっともおいしく、もっとも安い時期をいう。ただし、ものによっては収穫の多い時期と一番おいしい時期が違う例外もある。
 また、初物好きの江戸っ子が、味はまだそれほどよくない初鰹を先を争って買うために高騰したなんてのもある。この場合は、盛りに対し、はしりという。はしりも含めて旬とみなす場合もある。
 従って、「旬のネタは安いことが多いが、例外的に高くなってるものもある」が正しい。「いつも高騰」は明らかな間違いだ。
 これがラッパーがコンサートで歌ってるなら目くじらを立てるようなことではない。しかし、日本の食文化を紹介する番組でこんな歌詞を平然と流すのはどうかしている。チェックして変えさせるべきだ。そもそもスタッフ自体、旬の意味を知らないから間違いに気づかなかったのだろう。

不愉快だぞ、NHK!(4) AIを擬人化するな2018年11月27日 23:09

 Nスペなどは羽生竜王なんかを狂言回しにAI特集をしたりするわけだけど、非常によくない。将棋AIや囲碁AIがあたかも思考力を持っているかのような取り上げ方をしている。AIが何かを考えて、人間と対戦しているという世の中の誤解を助長しているのだ。
 経済学者なんかも「いずれAIが人間の仕事を奪う」的なオチのコメントを誘導されるそうだ。そういう風に話を持っていかなければ視聴率を稼げないと、率先してそういう番組作りをするのがNHKだという。いや、NHKを視聴率を稼ごうとするな。
 民放や雑誌が視聴率ほしさ、売り上げ部数を伸ばしたいがために科学的にひどい番組づくりや適当な特集を組むのはよくないし、しょうもないが、不愉快だ、むかつくまではいかない。しかし、NHKだと許せない気持ちになる。
 NHKは国民から強制的に集めた受信料が潤沢で、民放やそのほかマスコミ、雑誌では信じられないような多額の制作費を使える。だいたい、0の数が2つぐらい違う。目先の人気や視聴率稼ぎを気にせず、後世になっていい作品だと評価されるような良質な番組をつくれるし、つくるべきなのだ。
 テレビ局は番組別に、ニュース番組を扱う報道班、お笑い番組やワイドショーを扱うバラエティ班、フィクションをつくるドラマ班の3つにだいたい分かれる。で、NHKのバラエティ班にあたるNスペやクロ現なんかがひどい。民放も同じだが、スタッフが外に対して横暴。テレビだと言えばどんなムチャも通ると思い込んでいるのがありあり。

宝くじの高額当選確率 バラが連番の2.5倍になる理由をどう説明しているか見てみた2018年11月29日 23:26

 いろいろなサイトがバラの高額当選確率は連番の2.5倍になることをどう説明しているか見てみた。
8年前に私が初めて指摘したこの2.5倍説、その後は当たり前のように2.5倍がいろいろな宝くじ関連のサイトやブログに書かれている。詳しい仕組みをよく理解しないまま、やはり2.5倍という数字だけが一人歩きしているようだ。

 てゆうか、宝くじを買う人ってやっぱり確率がよくわかっていない。いやそもそも算数が苦手そう。

①まず、なぜ2.5倍になるのかの説明が大ざっぱなのが、これらのサイト。
ほとんどが、「連番は組が全部同じなので、1等の組が違うと1等前後賞すべてはずれる。バラは組が10通りあるので、1等と前後賞別々に狙える」という感じで説明している。

サマージャンボ宝くじ 当選確率、連番とバラの比較(2018-08-14)
https://www.bizblo.biz/entry/2018/08/14/074843

「この事は、3年位前から知っていました」とあるので、やはり私が書いたものが広まった知識だろう。

宝くじの当選確率バラと連番どちらが当たる?確率を高める買い方とは(2017/12/07)
https://tokosie-jouhou.net/3228.html

宝くじの買い方にはルールがあった?法則を知って当選確率を上げる方法!
バラと連番どちらを取るか
https://www.lucky-shop.jp/contents/blog/6804

「宝くじ」当たる買い方を一挙紹介!
「連番」と「バラ」ではどちらが当たる買い方?(2016/11/26)
https://kaiun.shop/buyers-hit/

宝くじの買い方、当たりやすいのはどの種類?
http://www.odac-libya.com/kaikata.html

宝くじ豆知識
バラと連番どっちが狙い目?ジャンボ宝くじの当選確率とは(2018/04/04)
https://www.dreammail.jp/lottery/trivia/7365/

 だいたい正しい。

②そんな中、これらの定性的な説明を、ちゃんと、なぜ2.5倍になるのか定量的に説明しているのが以下のサイト。証明の仕方が私と少し違うが、算数では正解を求めるのにいろいろな方法があるといういい例。できれば、確率が何%なのかも書いてほしかった。
 この人は理系で、やはり確率に詳しいようだ。理系の人間は確率は同じと思い込みやすいと書いているが、もう一歩科学する心があれば、連番の方が得するのはおかしいと気づくのではないか。

サマージャンボ発売直前!宝くじで1億円以上を当てるにはいくら必要?
「連番買い」と「バラ買い」はどっちがお得?(2016年2月2日)
https://www.misoca.jp/mlist/article/summer-jumbo/


③2.5倍と数値だけしか書いてないサイト

宝くじが当たりやすくなる買い方ってある?!バラと連番どっち?(2017.09.13)
https://jamaica7.com/archives/1777

「2.5倍と言う説があります」。「宝くじが当たる確率としては連番バラ、ほぼ同じと言われています」など自信がなさそう。

宝くじ 当たる確率UPの買い方!バラと連番どっちで買う?(2017/12/15)
https://みお.net/1009.html

算数が超苦手と自ら書いてある。

④説明はまとも

ジャンボ宝くじは連番とバラのどちらの買い方が当選確率が高い?(2018/10/30)
https://money-lifehack.com/question/6972

2.5倍とは書いてないけど、確率が高くなる仕組みをちゃんと説明している。

当たる宝くじの買い方
1億5000万円以上を狙うならバラ!
https://how-match.jp/win-the-lottery-simulation-4/(2016年7月11日)

2.5倍になる仕組みが簡潔に説明してある。